拡張解釈と類推解釈

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 刑法では拡張解釈は許されるが、類推解釈は許されないとされています。この違いは一体なんでしょうか。まず、拡張解釈とは、処罰の対象となっている行為等を広げて解釈し、その広がった解釈のなかに当該行為が含まれるという考え方です。こんな抽象的な書き方ではよくわからないと思いますので、具体例を出します。例えば、昔の判例になりますが、窃盗罪の対象となる「財物」のなかに電気を含めると判断したものがあります。これは「財物」の概念を広げてこの拡張された「財物」のなかに電気も含まれるとしています。他方で、類推解釈の具体例としては、仮にある公園でのサッカーを禁止しますとの法律があったとします。そこで野球をすることが許されるかということにつき、野球は「サッカー」には含まれないことを前提に、両者とも球技だし、危ないからという理由で類推的に野球も禁止ですというような解釈をすることです。このような類推解釈は刑法上許されません。結局、拡張解釈と類推解釈の違いは論理の展開方法の相違に過ぎないと言えるでしょう。

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