法律主義と政令

  • HOME »
  • 法律主義と政令

 法律主義とは、どのようなことが犯罪で、その犯罪に対していかなる刑罰が科されるかということについては、国会が法律により定めなければならないという考えであり、法律を定める権限を有するのは国会だけです。このことは、国会が国の唯一の立法機関であると定める憲法41条に規定されていることからも明らかであり、国会以外の機関、例えば行政府や裁判所などは法律制定権限を有しないのが大原則です。しかし、国会のみが法律を制定できるとしてしまっては迅速な規範制定が困難となります。そこで、憲法73条6号では行政府の代表もある内閣に対し、「政令」を制定できる権限を付与しています。もっとも罰則を設ける際には法律の委任が必要であるとされています。このように、国民の権利侵害となりうる刑罰に準じた罰則を与えるには、必ず法律の委任を要求して、国会ひいては国民のコントロールを及ぼそうとしているのです。なお、ここでいう委任には、一般包括的な委任では許されず、必ず個別具体的な委任が必要です。

PAGETOP