法律主義と裁判所

  • HOME »
  • 法律主義と裁判所

 裁判所も、法律主義との関係が問題となります。裁判所は司法の番人であり、法律主義との関係が問題となるといわれてもいまいちピンとこないかもしれません。しかし、例えば裁判において全く聞いたこともない荒唐無稽な法律モドキを持ち出してきて罰を受けることになってしまってはどうでしょうか。また、ちょっと万引きをしただけで(もちろん、万引きもれっきとした犯罪ですが)、死刑を適用するなどと判決を出されたらどうでしょうか。いくら国会で優れた法律を定め、行政が運用していたとしても、それを監視または適用する裁判所がその法律を守らなければ全く意味がありません。このようなことから、裁判所には、慣習法による処罰を与えることが禁止されており、また罰則規定の適用には類推解釈も禁止されています。類推解釈とは、文言自体からは違法とならないが、その背景事情や趣旨からやや類似した行為についても処罰をしようとするもので、このようなことをすれば事後的に裁判所が立法することと変わらなくなってしまうため、許されません。

PAGETOP